【新車のツボ147】VWポロ、これがコンパクトカーの新常識 (3ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 MQBは、エンジンルームからフロントシート......までの現代クルマ設計最大のツボ(この部分は衝突安全性に前席居住性、搭載できるパワートレインの種類に直結)を大胆に共用化しつつ、それ以外のサイズを柔軟に変更できる構造としているのが特徴である。

 考えてみれば、コンパクトカーだろうがスーパーカーだろうが、セレブなセダンだろうが、乗る人間の体格に差はないわけだし、最新のクルマ技術ならエンジンもせいぜい2.0リッター4気筒で大半のクラスをカバーできる。そう考えると、MQBの構造は、なんとも理にかなったものだ。

 事実、MQBでは最小クラスとなる新型ポロはコンパクトカーとしては大きくなってしまったが、それ以上に運転席まわりがゆったりとせせこましくなく、またドラポジの調整幅が大きくなっている。

 また、ゴルフやパサートでは300馬力クラスの超高性能エンジンにも耐える設計のMQBを、このポロでは1.0リッター3気筒で100馬力以下という日本の軽自動車に毛が生えたようなエンジンで動かしている。実際、新型ポロは乗った感じでも明らかに余裕しゃくしゃくで、クルマがまるで鼻歌を歌いながら走っているが如くなのだ。

  

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