【新車のツボ146】スズキ・クロスビー 、貴重な世界最小級SUV (3ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text&photo by Sano Hiromune

 クロスビーはクルマのキャラクターもハスラーとはちがう。クロスビーに搭載されるエンジンは1.0リッター3気筒ターボのみだが、これもクロスビーのキャラを「大人4〜5人+荷物満載でガンガン遠出できる本格ステーションワゴン」と設定して、あえてスズキの小型車用エンジンでもっともパワフルで贅沢なものが選ばれている。

 さらに、3気筒はアイドリングなどの震動騒音面で少し不利があるが、クロスビーが軽より高級なクルマであることをきちんと表現するために、滑らかなアイドルストップが可能なマイルドハイブリッド機構を追加している。

 ......と、細かいところまで理路整然としたこだわりで生まれたクロスビーは、存在感のツボからしてなかなか貴重である。SUVとしては世界最小級のサイズでありながら、室内やトランクは意外なほど広くて、走りはお世辞ぬきでパワフルだ。荷室にゴルフバッグが横向きに入る......という点も、「小さいからって軽とはちがうんじゃ。ナメんなよ!」という開発陣のプライドらしい。

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