【新車のツボ145】トヨタ・ハイラックス、これが本当のトヨタ世界基準! (2ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text&photo by Sano Hiromune

 で、新しいハイラックスだが、13年前に日本市場のタガがはずれてしまっていることもあって、そのサイズは日本目線で見ると、素直にデカい。本物の悪路走行を想定した地上高や全高が高いのは当然として、長さも幅もかなり大きい。ただ、世界のワークホースとしてはこれが平均的な大きさでもあり、とにかく運転席からの見晴らしはよく、地上高もタイヤもビッグなので、少々の段差は踏んだり乗り越えたりしても問題なし......で、実際の取り回しは意外なほどストレスが少ない。

 日本仕様でもきちんと商用車登録となる新型ハイラックスは荷物もガンガン積めるし、もともと過酷な現場仕事を想定しているために、メカニズムは簡素でタフそのものだ。

 自慢の悪路走破性にいたっては、私のようなオタクのアマチュアドライバーが乗るかぎり、クルマの限界のはるか手前で人間の限界がきてしまう(笑)。いずれにしても、その悪路性能は同じトヨタが誇るランドクルーザーシリーズ(第33回第96回第114回参照)に匹敵するレベル......ということは、実質的に世界で1、2を争う神様級ということだ。

 アジアやアフリカの新興国といっても、今やクルマに求められる安全性や環境性能、快適性に先進国と大差はない。それにこの種のピックアップを趣味グルマとして使う文化も世界中に浸透している。

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