【新車のツボ144】
ホンダ・シビック・タイプR、
鬼のような世界最速FF

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text&photo by Sano Hiromune

 で、その7分43秒80台がどれくらいスゴいタイムなのかというと、これより速い市販車は400ps超のスーパーカーばかりで、現時点での市販車最速タイム(ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテ)との差は1分に満たない。トータル7〜8分での1分差未満だから、僅差ではないが大差でもない。

 このように、シビック・タイプRはとてつもなく速いクルマなのだが、基本はあくまでシビックでもある。フツーのコンパクトカーと同様のFF車であり、排気量も一般的な2.0リッターである。

 そんな"一見フツー"のクルマを完全スーパーカー級のスピードで走らせるタイプRは、エンジン、ボディ、サスペンションその他すべてに超高度な技術がテンコ盛りだが、こういうレベルの速さになると、空力も超重要......なので、新型シビックRはご覧のように、巨大な羽根(リアウイング)を含めて全身が空力付加物だらけである! 結果として、シビック・タイプRの外観デザインはあっちこちにツノが生えたような状態になっており、門外漢にはもはや理解不能に近い(笑)。

   しかし、これらの空力付加物は"○○風"を気取ったドレスアップではなく、真面目に速く走るための本気の武装品。もはやカッコの良し悪しを超越したデザインであり、マニアにはヨダレモノの機能美でもあるわけだ。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る