【新車のツボ141】スバルXV、
スバルの大黒柱がこの値段は安い!

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 なるほど、この市販版も1.6リッターで実用上のパンチ不足を感じることは皆無だし、2.0リッター以上に軽く吹けるエンジン特性は、別の意味でさわやか。よほどのパワージャンキーでなければ不足なし......というか、パワージャンキーなら2.0リッターでもそもそも物足りない......と本末転倒になってしまうほど、1.6リッターは魅力的である。

 で、ご想像のとおり、1.6リッターの価格設定は、2.0リッターより明らかに安い。

 クルマの価格は1台あたりの原価だけで決められるほど単純ではない。性能が低いからといって部品点数が少ないわけでもないし、とくにエンジンなどはいろんな車種で使い回されるから、大きなエンジンでも生産台数が多ければ、小さなエンジンより低コストでつくられるケースもめずらしくない。それでも、少なくとも同一車種内では小排気量エンジンを安く設定するのは、そうでないと商品ラインナップの整合性が取れないからだ。

 ......なんて、ややこしいハナシになってしまうのも、この新型XVの1.6リッター車が、それをつくった技術陣が「安すぎ!」とこぼすくらいにお買い得な設定だからである。

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