【新車のツボ130】BMW 118dビーエムの末っ子は絶滅危惧種 (3ページ目)

  • 佐野弘宗●文・撮影 text&photo by Sano Hiromune

 118dの絶対的な性能は「そこそこ」のレベルで、特別に速くも俊敏でもない。しかし、その手応えはとにかく素直で正確で軽快。そして、なんともイイ感じに「すばしっこい」。

 交差点でもステアリングを持ちかえずに済むほどの敏感設定なのに、操作の重さとクルマの反応のサジ加減が絶妙なので、実際は過敏さや神経質さはまるでなし。なんというか、全身にただよう潤いとネバリが快感だ。

 118dのディーゼルエンジンはガソリンでいうと、3.0〜3.5リッター相当のトルク(=力)があって、ガソリンと較べれば震動もそれなりに大きめだ。しかし、1シリーズは前記のように後輪駆動なので、ステアリングに雑味のあるブルブルはまったく伝わらず、ステアリングを切った状態で加速しても、すっきりとスルルルーと加速していく。

 前記のようなエンジンの強力なキック力も、高回転まで回す必要もなく(というか、ディーゼルは回しすぎると逆におとなしくなる)、加速側だけでなく減速側のエンジンブレーキも強力。右足に粘りつくように回るので、アクセルだけでスピードの微調整もドンピシャにやりやすい。

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