【新車のツボ130】BMW 118dビーエムの末っ子は絶滅危惧種 (2ページ目)

  • 佐野弘宗●文・撮影 text&photo by Sano Hiromune

 1シリーズのエンジンは高級大型セダン同様に、縦方向に搭載される。しかも、BMWの場合はエンジン本体が長〜い直列6気筒も想定されており、1シリーズも例外ではない。だから、なおさらハナが長い。今ではこういうレイアウトの小さなクルマは、ほとんどなくなってしまった。その意味で、1シリーズは世界でもレアな存在なのである。

 そんな1シリーズは、ハッキリと室内がせまい。エンジンルームが長いうえに、変速機と駆動シャフトがクルマの前後に貫通しているので、前席中央にあるシフトレバーまわりの土手(=センターコンソール)も背が高く巨大。これを「スポーツカーみたいで運転しやすい」と歓迎するマニア筋もあろうが、大多数は「邪魔くさい」と感じるだろう。

 今回紹介する118dスタイルは今年夏に国内発売されたばかりで、現行1シリーズとしてはもっとも新しいモデルだ。1シリーズとしては2番目に手頃な価格で、"d"という末尾記号から想像されるとおり、欧州車マニア好みの最新ディーゼルを積む。

 118dは欧州では普通の人がさほど強いこだわりも持たずに乗るタイプだが、こういうフツーのモデルでも......というか、フツーのモデルこそ、スカッとさわやかに気持ちいい乗り物なのが、BMWのツボである。

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