【新車のツボ128】ボルボV40毎日がおいしい良質乗用車 (3ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真  text&photo by Sano Hiromune


 今回はもっとも手頃な1.5リッターターボだったが、6速オートマも含めて特別なハイテクでもない。

 しかし、そこそこ軽快でほどほどに静か。メチャ速くはないけど、どこでも余裕があって、オートマも制御もピタリとタイト。右足のわずかな操作にピタリと引っつくように加減速してくれるので、ブレーキを踏む頻度も少ないことに感心する。こういうところがルーズなクルマは微妙な減速でもいちいちブレーキを踏まなくてはならないので、長時間乗っていると疲れるものだ。その点、V40はとにかく疲れない。自動運転うんぬんは関係なく、V40は体幹からよくできた乗用車なのだ。


 こういう体幹の良さは、操縦性や乗り心地でも一貫している。操縦性がことさらシャープというわけではなく、とろけるほど快適な乗り心地でもないんだが、とにかく運転しやすい。ステアリングは正確だし、それでもわずかに曲がりが足りないな......と思ったら、微妙にアクセルから力をぬくだけでねらったところにいく。つまり、無意識のうちにねらった走行ラインをピタリとトレースできる。路面が悪いとそれなりに揺れるものの、その吸収力が絶妙なので、走行ラインはやっぱり安定していて、無駄な修正は不要だ。

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