【新車のツボ126】
プジョー208GTi byプジョースポール
再燃するホットハッチ王座決定戦

  • 佐野弘宗●取材・文・写真  text&photo by Sano Hiromune

 そんな208GTiのプジョースポールは、クルクル曲がる場所では、ルーテシアRSより曲がりが軽くて鋭い。......ということは、そのキレアジは、自動的にホットハッチ世界一レベルだ!? まるでコマのようにクルクル曲がるが、リアタイヤが地面に刺さったように安定しているので恐怖感もない。さらにいうと、路面を素手で触っているようなリアル感もプジョーの僅差勝ち。

 いっぽうで本格サーキットのような超高速バトルでは、ホイールベース(=前後タイヤ間距離)が長いルーテシアRSのほうが安定していて、最終的により高いラップを刻める可能性が高い。ただ、ひとり自己満足にひたる......というホットハッチ本来の用途(?)に、タイムは関係ない。両車は微妙にちがうツボがあって、マジで甲乙つけがたし! プジョー208GTi byプジョースポールとルーテシアRSの対決は、まさに"快感ホットハッチ世界一決定戦"というべき好カードだ。

 今回のプジョースポールで、もうひとつマニア悶絶のツボは、日本でも本国と同じ左ハンドルが売られることだ。世界のクルマの大半は左ハンドルを基準に設計されている。とくに208のようなコンパクトカーでは、ドライビングポジションや各部の操作感で、右ハンが左に対してビミョーに味が落ちるケースがなくはない。208GTiも運転席に座ったときのペダル位置やブレーキの感触では、今回の左のほうが明らかにドンピシャ感がある。

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