【新車のツボ125】スズキ・バレーノ、
和製ガイシャ、ここにきわまる

  • 佐野弘宗●取材・文・写真  text&photo by Sano Hiromune

 ただ、バレーノには、ここで口が酸っぱくなるほどホメてきたルノーや欧州フォードに共通するツボがある。スズキのコンパクトカーは以前から"和製ガイシャ"っぽいところが魅力だったが、日本市場から距離を置いたバレーノは、日本人ウケしそうなポイントがとくに少ない(笑)。

 しかし、オチョボ口のグリルとか、加飾を排して「曲面で見せる」スタイリングは、写真だと映えにくいが、実物は低く構えたスポーツカー風で素直にカッコイイ。こういうカッコよさも、いかにもガイシャっぽい。

 発売と同時にカルト感プンプン(!?)のバレーノ。ただ、こういう「知る人ぞ知る」優良物件に乗って、ひとりほくそ笑む行為こそ、クルマオタクにとって至高のツボである。

【スペック】


スズキ・バレーノXT
全長×全幅×全高:3995×1745×1470mm
ホイールベース:2520mm
車両重量:950kg
エンジン:直列3気筒DOHCターボ・996cc
最高出力:111ps/5500rpm
最大トルク:160Nm/1500-4000rpm
変速機:6AT
JC08モード燃費:20.0km/L
乗車定員:5名
車両本体価格:161万7840円

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プロフィール

  • 佐野弘宗

    佐野弘宗 (さの・ひろむね)

    1968年生まれ。新潟県出身。自動車評論家。上智大学を卒業後、㈱ネコ・パブリッシングに入社。『Car MAGAZINE』編集部を経て、フリーに。現在、『Car MAGAZINE』『モーターファン別冊』『ENGINE』『週刊プレイボーイ』『web CG』など、専門誌・一般紙・WEBを問わず幅広く活躍中。http://monkey-pro.com/

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