【新車のツボ125】スズキ・バレーノ、和製ガイシャ、ここにきわまる (3ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真  text&photo by Sano Hiromune

 こうした走り味は、いかにも世界の道で鍛えたたくましさにあふれる。最近のスズキには「クルマの走りはかくあるべし」みたいな一貫したレシピがヒシヒシと伝わってくるのがツボだが、それはバレーノも例外でない。

 2種あるエンジンで、どうせバレーノに乗るなら新開発の1.0リッター3気筒ターボが"らしい"選択だ。これは世界的に流行しているダウンサイジングターボ型で、1リッターの排気量から従来の1.5〜1.6リッター級の性能を出す。スズキのそれは欧州の同種エンジンと比較してもパンチがあるし、それ以上に感心するのは3気筒では世界屈指に静かなところだ。スズキは3気筒エンジンの経験を軽自動車でイヤというほど積んでいるわけで、そのノウハウが活きているっぽい。

 バレーノはグローバル商品で、しかも輸入車......ということで、このクラスの純国産車よりは価格もちょい高めのうえに、装備やグレードの選択肢も少ない。さらにスタイリングも「なんとなく日本人ウケしにくそう」と直感してしまうのが正直なところ。走りも骨太でいい意味ではあるが、あくまでフツー。

 それもあって、スズキはバレーノの国内販売目標を年間6000台(月販平均500台)という控えめな数字にしている。ただ、発売直後の評判を見るかぎり、実際にはそこまでも達しない気もする(失礼!)。スイフトの新型が出たら、バレーノの存在感はさらに薄れること必至!?......って、重ねて失礼!!

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