【新車のツボ124】ミニ・コンバーチブル、1台で何度もオイシイ乗り物 (2ページ目)

  • 佐野弘宗+Sano Hiromune+●取材・文・写真 text&photo by

 そう考えると、現在のオープンカー業界は冬の時代といっていい。日本車のフルオープンカーは「実用性なんてどうでもいい!」と最初から割り切るしかない2人乗りスポーツカーのみで、「オープンカーといっても、家族で使えないと......」という人が買えるシロモノではない。ならばと輸入車を含めてみても、ギリギリ手頃な300万円台で入手できるフルオープンカーは、以前紹介したVWザ・ビートル・カブリオレ(第54回参照)と、今回のミニ・コンバーチブルの2台だけである。

 ミニ(やザ・ビートル)のオープンモデルのツボは、布製のソフトトップで、しかもフル電動であるところだ。耐候性や防犯面から電動格納ハードトップを好ましく思う人も多いかもしれないが、オープンカーというのは「しょせん遊びグルマ」というおおらかなオーラも大きな魅力。その意味では、オープンカーの王道は、やはりソフトトップである。また、総じてフロントウィンドウが小さくて開放感が高いのもソフトトップのツボだ。

  

 それにしても、先日フルチェンジしたばかりのミニ・コンバーチブルは本当によくできている。そのトップは本当にガッチリしたつくりで、走行中のロードノイズはそりゃあ普通のハッチバックよりは大きめだが、そこいらの安物小型車よりははるかに静かである。

 トップの開閉はスイッチを押す以外の操作はまったく不要。しかも開閉時間が短く(ミニの場合は片道で約20秒)、走行中(ミニは30km/L以下)も開閉操可能であることこそ、じつは電動ソフトトップ最大のツボ。

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