2015.06.11

【新車のツボ104】
ジープ・チェロキー・ロンジチュード試乗レポート

  • 佐野弘宗+Sano Hiromune+●取材・文・写真 text&photo by

    チェロキーにはパワフルなV6エンジンや4WDも用意されるが、ここで取り上げるのは、もっとも小排気量、かつ普通の前輪駆動で、もっとも安価な"ロンジチュード4×2"というグレード。そんでもって、このチェロキー・ロンジチュードの走りが、とにかくスンばらしい!

 世の中に走り自慢のSUVは数あれど、これほど、乗り手の魂動というか波長というか肌感覚というか......つまりは、人間のツボとこれほど自然にシンクロして走るクルマは、SUVという前提をはずしても、そうあるものではない。

 このチェロキーの乗り心地は、路面から浮いたように快適で安定、ステアリングを2本指でつまんでいるだけで矢のように直進する。動きは徹頭徹尾、おだやかでスローなのに、ステアリングはすこぶる正確で、山道や狭い路地ではタイヤが通るラインをセンチ単位でねらえる繊細さをあわせもつ。2.4リッターエンジンは十二分にパワフルだけど、なんとなく物足りないのは、それを支えるシャシーがあまりに優秀であるがゆえの錯覚だろう。

 なんだかんだいっても、長い伝統と秘伝のレシピをもっているジープのなかの人たちは「重くて背の高いクルマをどう走らせれば、人間は心地よいのか?」というツボが染みついているのだろう。そして、アルファロメオはスポーティカーづくりに関しては抑えるべきツボを知り尽くした一流の老舗。老舗のスポーティカーを、老舗のSUV名人が料理すると、こんなすごいものが......ってことである。

 この種の輸入SUVでも、日本ではやはりドイツ車が一番人気。で、国産車にもホメるべき力作はたくさんあるのだが、だまされたと思ってジープ・ロンジチュードに乗ってみるとよい。クルマに詳しい人、クルマ経験値の多い人ほど、このジープの名人芸にツボがやられてしまうはずである。


   【スペック】
ジープ・チェロキー・ロンジチュード4×2
全長×全幅×全高:4630×1860×1700mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:1730kg
エンジン:直列4気筒SOHC・2359cc
最高出力:177ps/6400rpm
最大トルク:229Nm/3900rpm
変速機:9AT
JC08モード燃費:10.4km/L
乗車定員:5名
車両本体価格:415.8万円

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