2014.07.11

【新車のツボ82】
ランドローバー・ディスカバリー試乗レポート

  • 佐野弘宗+Sano Hiromune+●取材・文・写真 text&photo by

 ディスコの古さの"その2"は重いことだ。車両重量は2570kg。同じランドローバーでも、最新軽量設計のレンジローバーはこれよりボディが大きいのに200kgも軽かったりする。

 ただ、クルマが重いことは悪いことばかりではない。たとえば乗り心地だ。軽いクルマでもいかに重厚で落ち着いた乗り心地にするか......が現在の自動車エンジニアのウデの見せどころなのだが、そのいっぽうで、いかに技術が進歩しても、本当に重いクルマの重厚感にはかなわないのも事実である。

 昨今の軽量化された軽ハイトワゴンの3台分以上(!!)の重さもあるボディを、ゴツいサスペンションとタイヤで支えて、しっとりと走るディスコの味わいはたしかに古い。しかし、そこには思わず手を合わせたくなるような、ありがたいオーラが漂うのも事実。質量たっぷりのボディが醸し出す静粛性もまた、なんとも味わい深い。

 最新のディスコはそういう古臭くも本物の骨格に、最新鋭の過給エンジンや8速もある多段オートマ、レーダー付きの"ぶつからないための"事前安全性能も備わり、これらがまた、じつにいい仕事をしている。エンジンは常に低回転で粛々と仕事をして、金庫のように頼りがいのあるボディ剛性感に、先進の安全技術のおかげで、ディスコに乗っていると「んもう、身も心もまかせちゃう!」と甘えてしまいたくなる。

 まるでスポーツカーのようによく走る昨今のSUVや、あたかも高級セダンのように快適な最新スポーツカーも、たしかに素直に感心する。そういう小利口なクルマに乗るたびに、技術の進歩はスゴイと思う。

 でも、いつも書いていることだが、われわれクルマ好きのツボをより気持ちよく刺激してくれるのは、ディスコのように絶対的な物質量と一芸(この場合は悪路性能)に秀でたクルマなのだ。こういう本物が醸し出すオーラと快適性には、もう理屈ではない快感のツボがある。

【スペック】
ランドローバー・ディスカバリーHSE
全長×全幅×全高:4850×1920×1890mm
ホイールベース:2885mm
車両重量:2570kg
エンジン:V型6気筒DOHCスーパーチャージャー・2994cc
最高出力:340ps/6500rpm
最大トルク:450Nm/3500rpm
変速機:8AT
JC08モード燃費:7.4km/L
乗車定員:7名
車両本体価格:819万円

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