【新車のツボ78】BMW X5試乗レポート (2ページ目)

  • 佐野弘宗+Sano Hiromune+●取材・文・写真 text&photo by

 BMWを含む欧州の高級車ブランドでは、ガソリンのV8エンジンに相当する高級な6気筒ディーゼルを用意するのも常識。X5のディーゼルエンジンも6気筒なのだが、よくあるV型ではなく6個の気筒が一列にならんだ直列型なのが(ガソリンエンジンと同じく)BMW最大の売りである。

 直列6気筒はエンジン本体がかさばる形状になってしまう欠点のかわりに、高回転までスムーズなのが最大のメリット。ディーゼルエンジンは振動や騒音が大きいのだが、この直列6気筒レイアウトと最新技術を組み合わせたBMWの6気筒ディーゼルは、マニアなら震えるほど気持ちいい! しかもターボとの組み合わせで、トルクはガソリン5.0~6.0リッター級。瞬間的なフル加速では血の気が引くほどのパンチ力なのである!

 最近のガソリンエンジンは機械好きには物足りないほど静かになったし、さらにハイブリッドともなれば動力源の存在感はどんどん薄れるいっぽう。しかし、ガソリンより強めの震動と、それでも他社のV型より滑らかな直列6気筒が絶妙に融合したX5のディーゼルエンジンは、すさまじい速さとほどよく存在感のある頼もしさ、メカっぽい肌触りに、いろいろと自慢したくなるウンチク......と、ありとあらゆる好き者のツボに満たされている。しかもディーゼルだから燃費はよく、なんの遠慮もなく走って10km/L前後はカタイ。ディーゼル燃料はガソリンより安いので、実質的な燃料代はガソリン12~13km/L相当。この巨体、この性能でこの燃料費は素直に笑っちゃうほどの魅力だ。

 しかも、X5そのものも前記のようにウンチクと驚きのツボが満載。デカくて快適で速くて、なのに軽快で燃費よく、頬ずりしたくなるほど気持ちいいエンジン......。ああもう! X5のツボを語るには、このコーナーの文字量ではまったく足りない!

【スペック】
BMW X5 xDrive 35d Mスポーツ
全長×全幅×全高:4910×1985×1760mm
ホイールベース:2935mm
車両重量:2210kg
エンジン:直列6気筒DOHCディーゼルターボ・2992cc
最高出力:258ps/4000rpm
最大トルク:560Nm/1500-3000rpm
変速機:8AT
JC08モード燃費:13.8km/L
乗車定員:5名
車両本体価格:913.0万円

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