2014.02.11

【新車のツボ72】
スズキ・ハスラー試乗レポート

  • 佐野弘宗+Sano Hiromune+●取材・文・写真 text&photo by

 なんだかんだいっても、ハスラーは"ありそうでなかった"軽である。こういうクルマを今この瞬間に出してくるスズキの企画力、ツボを突くセンスはたいしたものだ。ハスラーはたしかにナンチャッテ商品だが、そのデザインを"ねらった感"をギリギリで寸止めしつつ、ひねくれたオタクや見る目厳しい大人の鑑賞に耐える造形のツボでまとめたスズキの手腕は、さすがというほかない。

 悪路走破性もたしかにジムニーに遠くおよばない。しかし、4WDの上級グレードには急勾配の下り坂を自動的にゆっくり走れるヒルディセントコンロールとか、空転したタイヤに自動的にブレーキをかけてスタックを防止するグリップコントロールなど、クルマオタクも思わず「へぇー!」といいたくなる小技がシレッと用意されていたりもする。オタクはこういうツボにもめっぽう弱い。

 だいたい、降雪で大混乱する都市部やアウトドア施設につながる林道などの"ほどほどの悪路"なら、「小型軽量ボディ、たっぷり地上高、そして4WD」の三種の神器さえあれば、ほぼ無敵だ。そう、それこそハスラーのようなクルマである。

 このハスラーの空気感、そしてシロートから専門家まで入り乱れての盛り上がり......は、以前にも味わった記憶がある。忘れもしない1993年、初代ワゴンRが出たときである。あのときのワゴンRも一部で「これって昔のアレの二番煎じだろ!?」などと無粋なツッコミを入れる輩(やから)もいたが、その結果は知ってのとおり、ワゴンRは今の軽の教科書となった。

 ハスラーはあのときと同じ匂いがする......とワタシは思う。しかし、自分でいうのもなんだが、ワタシの"時代を読む能力"は皆無どころかマイナスといっていいくらい薄弱なので、このシメはなんの根拠も自信もない(きっぱり)。

【スペック】
スズキ・ハスラーXターボ・2トーンルーフ仕様車(4WD)
全長×全幅×全高:3395×1475×1665mm
ホイールベース:2425mm
車両重量:870kg
エンジン:直列3気筒DOHCターボ・658cc
最高出力:64ps/6000rpm
最大トルク:95Nm/3000rpm
変速機:CVT
JC08モード燃費:25.0km/L
乗車定員:4名
車両本体価格:161万8050万円

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