宮司愛海アナが語る北京五輪。厳戒態勢で選手に感じた「ふだんどおりのパフォーマンスを発揮することの難しさ」

  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

ホテル生活で大活躍したもの

 次に大変だったのは、やはり食生活。

 海外での長期滞在でもっとも苦労するのが食だと思いますが、今回は食事をとれる場所がホテルかメインのメディアセンター、各会場のメディアセンターのみに限られ、選択肢の少なさゆえに気持ちが落ち込んでしまうことも少なくありませんでした。

 メインメディアセンターにはロボットが調理する食堂があり、物珍しさから世界的に話題になっていましたが、それをエンタメ的に楽しめた面と、すこし味気のなさを感じる面と、両面あったような気がします。いろいろな国の人たちの口に合うようになのか味は全て薄味で、日本から持って行った調味料が大活躍でした。

料理を運ぶロボットが話題になりました料理を運ぶロボットが話題になりました

 こんなこともあろうかと、日本からトラベルクッカーとアルミ鍋を持って行ったのは大正解! ほぼ毎朝部屋でお米を炊いてインスタントのお味噌汁と食べ、余ったご飯はおにぎりにして取材現場へ持って行っていました。
トラベルクッカーを持参してよかった!トラベルクッカーを持参してよかった!

 余談ですが、今回はホテル住まいだったため洗濯も部屋ですることに。ホテルのランドリーサービスを利用してもよかったのですが、時間もお金もかかりますし、身の回りのものはちゃちゃっと洗えたほうがよいなと思い、手回しのバケツ型洗濯機を日本から持って行きました。みんな口を揃えて「脱水がとにかく大変」と話していたので、洗濯から脱水までハンドルを回すだけでできるこの手動洗濯機には助けられました(笑)。

手動洗濯機も大活躍手動洗濯機も大活躍 こうして約3週間北京で過ごして感じたのは、長い期間に渡ってふだんと違う生活を送るなかで、ふだんどおりのパフォーマンスを発揮することの難しさ。

 メディアの我々ですら、制限の多さにじわじわと精神を蝕まれるような感覚すら覚えたのに、選手のみなさんはこの状況で自分のベストパフォーマンスを出そうとしているのだと、改めて頭の下がる思いでした。体験してみると、そのすごさがよくわかった気がします。

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