宮司愛海アナと内田嶺衣奈アナも北京五輪代表争いにドキドキ。全日本フィギュアスケート選手権の見どころは? (2ページ目)

  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

【全日本選手権での注目選手~男子編】

宮司 男子3枠ではどんな戦いが繰り広げられるでしょうね。羽生(結弦)選手がここまでケガで試合に出られていないというのがまず心配なところではありますが......。

内田 右足首ということで心配だなという思いはすごく強いけど、これまでの羽生選手を見ていると、やっぱり驚異的。復帰戦で圧倒的な成績を残すような、すごい演技をするということがあって。何度も(壁を)乗り越えてきている選手だからこそ、またそういう姿を見せてくれるんじゃないかなという期待も生まれるし。ただ、やっぱり無理はしてほしくないという思いもあるし。ここはすごく難しいところだよね。

宮司 どういう戦いになるのか、男子はあまり想像がつかないです。

内田 そうだね。でも、宇野(昌磨)選手は今年本当に調子がいいんだろうなっていうのを感じる。(コーチのステファン・)ランビエールさんとの関係性のよさというのも大きいのかなって思う。

宮司 確かにそうですよね。

内田 送り出される時の「行けるぞ」みたいなのに対して、グーサインで返すところとか、ああいう感じがすごく心を開いて信頼しているんだなというのが伝わってくる。宇野選手はコーチが不在で苦しんだ時期を乗り越えて、自分がまた世界と戦える位置に戻ってきたということも言っているから、今回はそのあたりが楽しみかな。

宮司 また何か平昌の時とは違う宇野選手が見られるのかなって思います。そして、鍵山(優真)選手にとってはオリンピックに向けて初めての全日本になるわけですね。

内田 いやー、今年も勢いがあるよね。この間、世界ランキング1位になっていて。

宮司 今シーズンから4回転ループも跳びはじめていますよね。

内田 種類を増やして、3種類の4回転を跳ぶ構成にしてかなり難しくしているよね。

宮司 すごいです。鍵山選手はジュニア時代に世界を制した経験というのがあるからこそ、シニアにおいても大舞台での戦い方というのをよく知っている選手なんだろうなと思います。どんどん成長しているのが見ていてわかるじゃないですか。

内田 ね。あと鍵山選手は(コーチの)お父さんに喜んでもらえてうれしいとか、お父さんのためにっていう思いをいつも言ってるよね。

宮司 コロナ禍では一緒に移動できなかったりもして。リンクサイドにいらっしゃらなかった時もありましたよね。心細い思いもしただろうし、コロナ期間の苦しさを乗り越えて、ひと回り人としても大きくなった鍵山選手の表現力はすごく楽しみにしたいところです。それから、ジュニア時代からのライバルである佐藤(駿)選手ももちろん、鍵山選手に負けず劣らず伸びてきています。

内田 佐藤選手は4回転ルッツという武器があるというのが勝負の上では大きいと思う。ただ、いろんな大会でケガがあったことでなかなか思うような演技ができなかったという経験もしていて。また、無良(崇人)さんに教わったりもしていてそこで吸収するものもいろいろあるのかと思います。

宮司 鍵山選手とは同級生ということもあって、影響され合っているところはあるのでしょうね。佐藤選手がジャンプを大きな武器にしていたところ、鍵山選手がどんどん4回転の種類を増やしていくとか、お互いがいい影響を及ぼし合っているんだろうなというのがわかります。このふたりの戦いが全日本で、3枠というのとは別にあるのかもしれないなと感じています。
 それにしても、鍵山選手と佐藤選手は性格が全然違うから面白いですよね。

内田 でも、すごく仲よしだよね。

宮司 近くで見ていると正反対のようなところもあって。鍵山選手は、しっかりきっちりしているイメージですね。一方で、佐藤選手はほわーんとした雰囲気が出ているような......どこか不思議なところがあって。どんなことを考えているんだろうっていう純粋な興味を持つ選手でもありますね。

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