宮司愛海が彗星ジャパンの躍進に注目。「レミたん」土井主将が語った「勝ちビビり」とは? (3ページ目)

  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

 スタッツを見てみると、前半の速攻からのゴール数は、クロアチアが1本であるのに対し、日本は4本。後半を合わせた試合全体では、引き分けとなった29点中6点が速攻からの得点であり、クロアチアを5点上回る結果となりました。

 さらに、前回大会と得失点を比べてみると、平均失点は29.4点(前回大会)→29.3点(今大会)でほぼ変わらなかったのに対し、平均得点は25点(前回大会)→28点(今大会)と、3点伸びています。

 こうした点からも、「戦う気持ち」=精神面の強さに裏付けされたオフェンス力の向上が見て取れるのではないかと思うのですが、土井選手はチーム全員が「"勝ちビビり"をしなくなった」からこその結果であると分析していました。

「これ勝てるかもって思ったときに、勝っちゃって大丈夫かなという変な不安が生まれてきてしまうんですよ。前回大会は、試合によってはその"勝ちビビり"っていうのがあったと思うんですよね。最後ここで決めたら勝てる、でも自分が外したらどうしようみたいな。けど、この勝ちビビりが、今回は俺がチームを勝たせるんだっていうくらいの気持ちに変わったので得点が伸びたんだと思います」

 勝てそうなときに勝ちきれない。

 それがこれまで日本が直面してきた課題であり、この"勝ちビビり"こそが勝利を逃してきた大きな要因でした。それがクリアになった今大会は、日本がこれまで取り組んできたことが間違っていなかったということを証明する大会になったといえるでしょう。

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