宮里藍に宮司愛海が聞く。渋野、古江、笹生ら女子ゴルフ界の今 (4ページ目)

  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

宮司 というと?

宮里 少し噛み合わせがうまくいかなかったというだけで、一つひとつの技術を見てみると、全然調子は悪くない。一昨年より(成績が)下がっているとしても、たぶん普通のレベルにはいるんです。本人は「今シーズン(2020年)はすごく苦しかった」と言っていましたが、2カ月間アメリカツアーを回れたことはすごくいい経験になったと思いますし、やるべきことがイメージできたと思うんです。だから、2021年はがんばれるんじゃないかなって思っています。

宮司 ある意味、2020年は"成長痛"のような時期だった、と。

宮里 もちろん、本人は結果につなげられず、悔しかったでしょうが、そこは長い目で見ることが大事です。今後、世界のいろんなコースに対しての引き出しを増やしていけばいいだけの話なので、その準備段階としてはよかったと思います。

宮司 そんな若い選手たちにとって、宮里さんは目標であり、大きな存在だったと思いますが、宮里さんが後輩たちに期待するのはどんなことですか?

宮里 私が彼女たちの年齢のときに経験していたゴルフと、彼女たちが今やっているゴルフはたぶん内容が全然違うんですよね。私が20歳くらいのときの飛距離のセッティングは、今よりかなり短いので。同じコースでも、今の優勝スコアと当時の優勝スコアは5、6打、違います。

宮司 そんなにですか?

宮里 それを考えると、今の選手のほうが圧倒的に技術力も精神力もある。私としては、すごい時代になっているなと思いますし、むしろ彼女たちが、私の知らない世界を見せてくれているっていう感じなんです。

宮司 うわっ、素敵!

宮里 だから、こうしてほしいとか、こうなってほしいとか、そういう思いはなくて、これからどう成長して、どういうゴルフをしていくんだろうって、ただただそれが楽しみですね。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る