宮里藍の鋭い質問に宮司愛海がタジタジ!?「私もまだまだ修行中の身です」 (3ページ目)

  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

宮里 自分が初めて聞き手に回って思ったことですけど、アナウンサーの方って本当にすごいですよね。下準備でその選手や競技の膨大な情報を頭に入れておかなきゃいけないし、それを処理しながら短い時間で選手の答えを引き出すのは、相当なスキルだと思います。聞かれている側としてはそんなことを考えたこともなかったので、すごく大変なんだと思いました。やっぱり聞かれるほうが楽です(笑)。

宮司 いえいえ、私もまだまだ修行中の身なので難しいです(笑)。でも、宮里さんには、アスリートの気持ちがわかるからこそ、聞きづらいこともあると思うんですが、そういうときはどうしているんですか?

宮里 選手は自分が調子のいいときは気持ちに余裕があるので、調子が悪かったときのことを聞かれても、ある程度消化できていて、言葉にする余裕もある。でも、あまり調子がよくないときに、たぶん何百回も聞かれているであろうオリンピックに向けての話などを聞かなきゃいけないとなると、すごく難しいですよね。

 たとえば、錦織選手のときはケガをしている真っ最中で、いつ復帰して、どう調子を上げていくかがはっきりと見えないなかでのインタビューだったので、仮に出場が内定していたとしても、オリンピックについて聞かれるのはストレスがかかるだろうなと思いました。あとは、他の(ランキング)上位選手と比べられるような質問は聞きにくくて......、それは、最終的に聞けなかった気がします。宮司さんならそういうとき、どうされますか?

宮司 「聞くしかない!」という気持ちではいるのですけど、それでもやっぱり、インタビューをしている者同士でしか感じられない空気は絶対にあると思います。スタッフが同じ場にいたとしても、(そのスタッフには)感じ取れない感情の機微みたいなものは(ふたりの間で)あるので、「これは絶対に聞かないほうがいい」と思ったら、私も聞かないです。

宮里 そうなんですね。

宮司 インタビューが終わったあとに、ディレクターに「たぶん、あれは聞いたらダメだったと思います。ごめんなさい」と謝ることもありますね。

宮里 (メモを取りながら)なるほど。私も現役当時、そういう空気を出しているつもりはなかったんですけど、出ていたときもあったんだろうなって、今になって思います。たとえば、イップスになったとき、それについて触れられるのはわかっているんだけど、ちょっと構えるとか。確かに、そのときの感情の動きによって自分の受け止め方も違ったんだろうなと、今聞いていて思いました。その場の空気感とか、感情の機微を感じ取るのはすごいことですね。

宮司 私はただ、ビビリなだけです(笑)。さて、宮里さんはゴルフ以外にもいろんな選手にインタビューをされてきましたが、東京オリンピックに向けて特に注目している競技はありますか。

宮里 個人的には、卓球にすごく注目しています。

宮司 水谷隼選手に取材されましたよね。

宮里 そうですね。東京オリンピックから新しく採用されたミックスダブルスで、水谷選手と伊藤美誠選手のペアがかなりメダルに近いと聞いていますし、実際に取材させていただいたという思いも含めて、すごく楽しみにしています。ただ......、いろんな競技のアスリートを取材させてもらいましたが、私の中では、水谷選手のインタビューにはじくじたる思いがあるんですよね(苦笑)。

宮司 そのお話、以前もされていましたね。

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