宮司愛海×中村光宏のフィギュア話。四大陸で感じた日本女子選手の成長 (5ページ目)

  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

宮司 そのためには、まだステップアップしないといけない部分はありますけど、この大会で日本女子選手は確実に大きな一歩を踏み出しということなんですね。

中村 そうなんだよ。そういえば、これって宮司の連載だよね? こんなに熱く語るつもりじゃなかったのに、俺、すごく喋ってるよね(笑)。

宮司 ここまで自由に喋れる場は、ほかにはなかなかないですもんね(笑)。

中村 フラストレーションが溜まっているのかな(笑)。話を戻すと、4回転とトリプルアクセルを1つのプログラムで成功させた選手はシニアではまだいないんだよね。ジュニアではアメリカのアリサ・リュウが決めているけど。

宮司 日本女子ではそこに一番近い選手が、紀平選手。四大陸選手権では4回転サルコウには挑戦しませんでした。

中村 ただ、練習では着氷させたよね。彼女がすごいのは、トリプルアクセルで失敗する雰囲気がほとんどないこと。

宮司 安定感が増しましたよね。

中村 本人も発言していたけど、彼女にとって3回転アクセルは特別なジャンプではなくなっているんだよね。4回転サルコウも練習をするたびに成功に近づいていく。紀平選手は成功へのプランニングがしっかり出来ているんだと思う。だから、四大陸選手権ではやらなかったけど、また試合でチャレンジする日はそう遠くないかも。

宮司 紀平選手で言えば、四大陸選手権ではもうひとつ大きなことがありましたよね。

中村 3回転ルッツね。フリーは演技構成を変更したこともあって3回転ルッツは1回になったけれど、解禁したことが大きいよ。左足の故障再発を防ぐために、韓国に入る前の練習段階では3回転ルッツを飛ぶ回数を制限していて。それでも本番はしっかり成功させた。

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