酒井高徳のキャプテン経験は、過酷なアウェーのイラク戦でこそ生きる (3ページ目)

 残留争いが厳しい状況になるにつれて、チームが動揺している局面でも「自分はその雰囲気に飲まれず、俯瞰(ふかん)して考えるようになった。90分を通してゲームを見られるようになり、前半だけに左右されず、後半も含めた1試合を通してのプレーを考え、メンタルが鍛えられました」と振り返っていました。この厳しい残留争いで「絶対に勝たなくてはいけない試合」を数多く経験したことが、必ず今回の最終予選でも生きてくるのではないでしょうか。

 そして、HSVでキャプテンを経験したからこそ、酒井選手は日本代表が勝つために個々の選手が何をすればいいのか、チーム全体としてどうすればいいのかを考えて行動できるキーマンだと思います。

 また、酒井選手はフィジカル面でも進化を遂げています。それを証明する身体の一部が、アスリートにとって「第二の心臓」とも言われるふくらはぎ。サッカー応援番組『たけうっちF.C.』で太さを測らせてもらったところ、40.2cmでした! これは、酒井選手と同じ身長176cmの日本人男性の平均を約5cmほど上回っているそうです。 

 ドイツに渡った当初は、粘り気があるピッチと毛足の長い芝生に足をとられたり、強靱なフィジカルの外国人選手のプレッシャーに耐えられず、転んでしまうこともあったといいます。それでも、試合を重ねるごとにそうしたこともなくなっていき、酒井選手自身、「鍛えられたのかな」と成長を実感していました。

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