ガトリン選手も評価。16歳・サニブラウン選手の驚速の成長

 その明るい表情や、気持ちよく走っている姿からは想像しにくいのですが、以前は「レースの前は怖くて仕方なかった」といいます。それが今は、これだけ注目されていても緊張することはなくなったそうです。本人の努力はもちろん、結果を残すことで、そうしたプレッシャーを乗り越えてきたのだと思います。

 また、サニブラウン選手の名前を中継でどう呼んだらいいのか番組スタッフは迷ったそうです。結局、本人に聞いて最終的には"サニブラウン"ということで落ち着いたのですが、私が「なんと呼べばいいでしょうか?」と聞いたときは、「ハキームでもいいですよ(笑)」とのこと。学校では、女子の同級生に「ハキちゃん」と呼ばれることもあると、照れくさそうに話してくれました。

photo by Tsukida Junphoto by Tsukida Jun サニブラウン選手は、ガーナ人の父と日本人の母のハーフ。母は短距離とハードルでインターハイに出場経験があり、彼が小学生のときにサッカーから陸上に転向したのも母の助言があったからだそうです。それだけに世界陸上に出場することが決まって、何かアドバイスがあったのか聞いてみると、「忘れ物をするんじゃないよ」と言われた、と笑っていました。本人も「忘れ物をよくする」と認めていて、「でも、スパイクだけは忘れたことがないです!」と胸を張っていましたが、そんな鷹揚なところにもすでに大物の片鱗を感じました。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る