全日本大学駅伝直前。駒澤大の4連覇を阻むのはどこか?

 服部選手は、高校時代に非常に悔しい思いをしたレースがあったといいます。それ以来「1秒も無駄にしないように過ごす」と誓ったそうです。酒井監督に聞いても、服部選手は「ものすごく真面目」。たとえば、バスで移動している際に休憩でサービスエリアに停まった時には、すぐにバスから降りて、ぶら下がれる鉄棒のような器具で懸垂をし、トレーニングを始める。これには酒井監督もさすがに驚いたそうです。

 また、2020年東京五輪開催が決まって以来、各大学の監督が「マラソンで世界のトップと互角に戦える選手を育てたい」と意識していて、酒井監督もまた、東京五輪へ向けてマラソンでメダルを狙える選手を育てることを考えているといいます。実際、悪天候で中止になった10月の出雲駅伝でも、1年生の竹下和輝選手を最長区間のアンカーに配置するなど、酒井監督は将来を嘱望されている選手を抜擢していました。また、選手たちには「常に、20kmを走るペースのままで42・195㎞を走りきることをイメージして走れ」と、何度も繰り返し言っているそうです。

photo by Yamamoto Raitaphoto by Yamamoto Raita 今回、その酒井監督の選手起用術と服部選手を中心にしたチーム力で、東洋大が駒大の4連覇を阻止して初優勝できるのか。注目です!

 ほかに、毎年取材させていただいている青山学院大も注目校のひとつです。駒澤大の大八木監督をはじめ、各校の監督が、警戒しているチームとして真っ先に青山学院大の名前を挙げていました。青山学院大の選手のみなさんも口ぐちに「今年は優勝を狙える」と話していて、手応えをつかんでいるようです。今年は故障者が少なく、トラックの自己新を出した選手が多いとあって、調整は順調。青学大は12年に出雲駅伝で優勝していますが、その時以上に自信が感じられます。

 また、今年の箱根駅伝でたすきをつなげられなかった山梨学院大のエノック・オムワンバ選手がどんな走りを見せるのか。さらに、9月の日本インカレの1万mで日本人1位になった京都大学の平井健太郎選手の走りにも注目です。1区を走ることが予想される平井選手は、「オムワンバ選手と村山謙太選手以外には負けないと思う」と強気で、区間賞を目標にしています。そんな全国各地の大学の選手たちの挑戦があることも、全日本大学駅伝ならではの面白さ。

 今からスタートが楽しみです!
伊勢で決まる、日本一。
全日本大学駅伝対校選手権大会 
テレビ朝日系列で放送
11月2日(日)あさ7時~※一部地域を除く
詳しくはこちら>>http://www.tv-asahi.co.jp/ekiden/

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