W杯でゴールを狙う香川選手の「祖母への思い」 (2ページ目)

 2010年、ドイツ・ブンデスリーガのドルトムントへの移籍も「飛躍のため」とハッキリ言っていましたし、日本からドイツへ出発する時、空港でドイツの代表ユニフォームを着て、ブラジルカラーのジャージを手に持つなど、欧州で活躍してW杯ブラジル大会へ出場する、という強い意志を見せていたのです。

 ドイツでは「すべてがうまくいって、壁を感じることはなかった」と言うように、香川選手はドルトムントでは2シーズン連続でリーグ優勝を経験。サポーターが香川選手のチャント(応援歌)をつくるほどファンに愛されました。

photo by Yamamoto Raitaphoto by Yamamoto Raita そして2012年7月、プレミアリーグのビッグクラブであるマンチェスター・ユナイテッドに移籍。そのシーズンは、プレミアリーグでアジア人初となるハットトリックを決めるなど(2013年3月2日のノリッジ戦)、リーグ優勝に貢献しました。

 ハットトリックを決めた後、帰国した香川選手を取材した時「自分が今までテレビで見ていたルーニー選手やファン・ペルシー選手ら、スター選手が周りにいっぱいいる。そのなかに、こんな小柄な日本人がいていいのかなと感じていますし、プレッシャーはある。それでも、自分に『自信を持て』と言い聞かせながら、何とか胸を張って前向きにプレーできるようになった」と話していたことをよく覚えています。

 しかし2013-2014シーズン開幕前に、モイーズ監督が就任すると、香川選手の出場機会は減っていきました。それからは「壁にぶちあたっている」という言葉が香川選手のコメントから出てくるようになりました。そんな苦しい時期に、「どうすればその壁を乗り越えられるのか」と考えるようになったという香川選手。W杯前には「(マンチェスター・ユナイテッドで)結果を出せてない分、ワールドカップで爆発したい」と意気込みを語ってくれました。

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