ソチでの発言に期待。熱きスケーター町田樹の言葉へのこだわり

 ソチ五輪のフィギュアスケート男子シングルの代表は、羽生結弦選手と髙橋大輔選手、そして町田樹選手の3人。メダルの期待がかかる3人のうち、今回は「何かやってくれそう」という期待感を抱かせてくれる町田選手に注目したいと思います。

photo by Yamamoto Raitaphoto by Yamamoto Raita 町田選手を初めて取材したのは、昨シーズン2012年11月のグランプリ(GP)シリーズ中国大会。開幕戦のアメリカ大会で3位になっていた町田選手は、この大会でGPシリーズ初優勝を飾り、GPファイナル進出を決めたのです。中国大会に一緒に出場していた浅田真央選手と髙橋大輔選手に注目が集まるなか、町田選手が優勝し、「新しい選手が出てきた」と思わせてくれる印象的な大会でした。

 また、その大会取材から帰国するときに、空港で見た町田選手の私服姿は今も忘れられません。そのシーズン、町田選手のフリーの曲は今季と同じ『火の鳥』だったのですが、空港で町田選手が着ていた服は、演技用の衣裳と同じように両肩に羽が! インパクト大で驚いてしまったことをよく覚えています。

 そして今シーズン、町田選手がGPシリーズ初戦のアメリカ大会で優勝した後にインタビューをさせてもらったのですが、興味深いフレーズが町田選手の口からいくつも飛び出してきました。その言葉は、ときに哲学的で、日常生活では聞き慣れないものが多いのです。たとえば「アルゴリズムとヒューリスティック()のふたつを使い分けて、さなぎから蝶へ羽化するような進化した姿をお見せしたい」など、印象的な表現がいくつもあります。

※アルゴリズム(Algorithm)=問題を解くための計算の手順・方式。言語学、数学、コンピューター関連で使われる
※ヒューリスティック(heuristic)=「発見に役立つ」という意味の形容詞。心理学では、問題解決のプロセスで、暗黙のうちに用いている簡便な解法や法則のこと

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