「人生最後の五輪」ソチの舞台に立つ髙橋大輔の秘めたる思い (3ページ目)

 そして、その言葉どおり、2週間後のNHK杯にはきっちりと調子を上げて、SPで首位に立ち、演技が終わった瞬間に小さくガッツポーズ。それについて聞かれた髙橋選手は、「(アメリカ大会は)なかなか気持ちが燃え上がって来ていなかった。昨シーズンからずっと良くない状態が続いていたジャンプが決まったから、思わず」と照れくさそうに話してくれました。

 その後、昨年12月(6日~9日)のGPファイナルは直前にケガをして辞退してしまいましたが、体力的には「これまでの五輪シーズンと比べていい状態」と話していました。食事やトレーニングメニューを"チーム大輔"のメンバーがしっかりサポートしている成果が出ているのだと思いました。

3回目となる五輪の舞台に臨む髙橋大輔 photo by Noto Sunao3回目となる五輪の舞台に臨む髙橋大輔 photo by Noto Sunao しかし、昨年12月末の全日本選手権で、髙橋選手をアクシデントが襲います。フリーで転倒して手を負傷。出血しながらの演技となり、五輪代表選考の大事な大会で本来の力を出せずに5位に終わったのです。フリーの演技後には涙を見せました。優勝は羽生結弦選手、2位に町田樹選手、3位は小塚崇彦選手が入りました。

「これでオリンピックがなくなったという思いが強くて、自分が情けなかった……」。フリーの直後、髙橋選手はこう語っていましたが、3枠あるソチ五輪代表に選ばれたのは羽生選手、町田選手と、最後のひとりは髙橋選手でした。今季のGPシリーズでの実績が評価されたのです。全日本3位の小塚選手は落選でした。

 髙橋選手と小塚選手はプライベートでも仲がいいことで知られています。実は男子フリーの演技後、代表選手が発表される前に、ふたりは女子フリーの演技を一緒に見ていたそうです。

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