シーズン最多本塁打のバレンティン選手に「喝」を入れたベテランとは? (3ページ目)

 それでも気を取り直して、記録更新の次の日、お祝いを渡しに神宮へ。バレンティン選手の生まれ故郷であるオランダ領キュラソー島の名物、イグアナ料理にちなんで、スタッフ総出で探してきた「イグアナのぬいぐるみ」をお土産に持って行きました。

 バレンティン選手は、イグアナのぬいぐるみを手に「今日はノーパワー。昨日56号を打って疲れちゃった」と笑顔。「イグアナのスープがパワーの源」というバレンティン選手ですが、さすがに日本ではイグアナ料理を出すお店がないため、「食感が似ているから代わりに鶏肉を食べている」そうです。

 そして、残念ながら56号を見逃した私でしたが、60号はこの目で見ることができました。ヤクルトの宮本慎也選手の引退試合の取材で神宮球場へ行くと、「今日はシンヤのためにもホームランを打ちたい」と話していたバレンティン選手が、見事なアーチを放ったのです。アキレス腱痛にもかかわらず打席に立ったバレンティン選手の、宮本選手への「惜別のホームラン」。チームメイトの花道を飾る一発に感動しました。

 今回、記者席やバックネット裏ではなく、神宮球場のレフトスタンドから観戦できたことはとても貴重な経験でした。神宮は解放感のある球場で、たくさんのヤクルトファンの皆さんが傘を振って「東京音頭」を歌ったり、肩を組んで応援歌を歌ったり――。来シーズンは、取材はもちろんプライベートでも、そんな雰囲気を楽しみにまた球場へ通いたいと思います。

折山淑美/構成

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