2020年の五輪を目指す注目の10代。体操・白井健三選手と水泳・今井月選手 (2ページ目)

 その白井選手が、後方4回捻りをやろうと思ったキッカケは、「採点規則集」。その図解を見て「F難度でこういう技があるのか」と思い、練習を始めたといいます。そして、その4カ月後、昨年11月下旬の関西ジュニア競技会で見事に成功。練習では出来ていなかった技を試合で成功させた勝負強さは驚異的です。

 世界選手権で(ゆかと跳馬の種目別)代表に選ばれたことは、以前のように全日本選手権とNHK杯の成績だけではなく、「種目別選手権も選考大会になったことがラッキーだった」と白井選手は言います。白井選手は全日本の予選は53位でしたので、かつての選考基準では選ばれていなかったはずなのです。

photo by Yamamoto Raitaphoto by Yamamoto Raita 白井選手は、世界選手権の跳馬で「伸身ユルチェンコ3回捻り」に挑戦することを宣言しています。この技は7月のインターハイの予選と決勝で成功させている難易度の高い技。体操は、国際大会で最初に成功させた選手の名前がその技の名前になるので、世界選手権で成功すれば、「伸身ユルチェンコ3回捻り」の名前は"シライ"になります。

 ただ、ロンドン五輪の跳馬の金メダリスト、梁鶴善(ヤン・ハクソン)選手(韓国)も同じ技にトライすることを宣言しており、どちらが先に成功するのか世界的に注目されているのです。

 将来的には「個人総合も狙いたい」と言う白井選手の世界選手権での目標は、この技を決めるだけではなく、得意のゆかと跳馬で高得点をあげて、団体で金メダルを獲ること。この先、2016年のリオデジャネイロ五輪、さらに20年の五輪では、個人総合でも金メダルを狙ってほしいと思います

 そして、もうひとり取材をした10代の選手は、競泳の今井月(るな)選手です。

 入学式を終えて中学1年になったばかりだった4月、日本選手権の女子200m平泳ぎで3位になって一気に注目された13歳。私は5月のジャパンオープンで今井選手の泳ぎを初めて見たのですが、女子平泳ぎ200m決勝で見事に3位表彰台。隣のレーンで泳いで優勝した世界水泳代表の金藤理絵選手と今井選手の体格差がかなりあって、「体が小さいのにすごい」と非常に印象に残りました。

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