フォームはウサイン・ボルト流。世界陸上を目指す17歳・土井杏奈選手 (3ページ目)

 また、先輩である福島選手(100m日本記録保持者)について聞くと「一緒に走らせてもらって、努力だけではなくて、色々なことを論理的に考えているんだな、ということがわかってすごく勉強になりました」と、福島選手をライバルとして、また目標として意識して、少しでも多くのことを吸収しようという気持ちが伝わってきました。

「朝も部活があるから、早起きでバタバタして大変ですか?」と聞くと、「準備とかは前日にしちゃうタイプなので…」としっかりしている土井選手。学校ではクラスの人気者で、教室や学食で友だちと一緒に楽しそうにおしゃべりしている姿や、「下半身に筋肉がついたので、スキニー系のパンツがきつくて、女の子としてはちょっと……」と気にするところは、今どきの女子高生そのもの。でも、四六時中陸上のことを考えていて、授業中、ノートに「~秒のタイムで走りたい」と無意識に書いてしまうといいます。

 言われたからやるのではなくて、積極的に練習に取り組む彼女は、いわば「自家発電型スプリンター」。モチベーションが湧き水のように滾々(こんこん)と湧いてきていて、枯渇することはなさそうです。

 まだ17歳の彼女は、「次の(2014年リオデジャネイロ)五輪も、その次の(2018年の)五輪も出場したい」「10秒台を出したい」とはっきり口にしていました。この年齢で具体的な目標を躊躇なく言えるのはすごいと思いますし、受け答えから意志の力を感じるアスリートです。ひたむきに練習を続ける土井選手に、何がなんでもその思いを結実させてほしいと思います。

構成/折山淑美

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