逆境の中でも五輪をサポート。ANAがスポーツを応援し続ける理由とは (2ページ目)

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「スポンサー契約をして大会延期前の時点で5年が経過していました。大会の成功に貢献したいという思いを込めてこれまで準備してきたこともあり、1年延期になったからと言って、サポートをしないという選択肢はなかったです。安心・安全に開催されることが大前提ですが、それができるのであれば、開催はサポートしていきます」

 この多額の追加費用について、1社あたりの正確な負担額は公表されていないが、ANAとしては、厳しい経営状況の中で、できることを模索したという。

「大会へのサポートはお金がすべてではありません。そこは大会側に理解していただき、歩み寄っていただいているかなと思います。我々としては、大会組織委員会に出向者を増やしていくという人的支援もしました。これはほんの一例で、さまざまな形で大会をサポートしています」

 ANAはこのように資金面以外でも多くの支援をしてきたが、この支援は大会期間中も続いていく。それは航空会社ならではの取り組みだ。

「選手・関係者の皆さまが機内、空港内などでストレスフリーに移動いただくことも大切にしています。通常、閉会式の翌日などは一斉に帰国されるので、空港のカウンターだけでは対応しきれません。そのためオフエアポートチェックインとして、選手村に出張カウンターを設置して、チェックインを行ないます。もちろん、コロナ感染対策も万全を期して対応します。

 また競技によっては受託手荷物が多くなることもありますし、普段はあまり取り扱わない道具もあったりします。たとえばカヌー競技で使用するパドルなどですが、それを破損させてしまうわけにはいきませんので、事前に情報をいただいたりして、細心の注意を払い、お客様が当日ストレスのないようにする。そこはスタッフ一同心がけていることころです」

 ANAがスポーツを支援し始めたのは、1973年の「ANAオープンゴルフトーナメント」にさかのぼる。これは、毎年9月に開催されるANA主催の男子プロゴルフトーナメントの1つで、青木功、尾崎将司、中島常幸ら往年のゴルファーたちをはじめ、池田勇太、石川遼ら現代のトッププレーヤーたちが優勝してきた由緒あるトーナメントだ。

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