記者が明かす野球の新しい観戦方法。
「相手をだます表情もわかる」

  • text by Sportiva
  • 市川光治(光スタジオ)●撮影


――プロ野球の開幕が待ち遠しい限りですが、今シーズンはどの球団に注目していますか。

「注目しているのは、北海道日本ハムファイターズです。今シーズンは前評判がそれほど高くはありません。ただ、下馬評が低いときのファイターズは怖いというのが最近の定説。監督として9年目を迎える栗山英樹監督のマジックが、今年は大混戦が予想されるパ・リーグで、どんなふうに炸裂するのか、注目しています。とくに斎藤佑樹投手と、清宮幸太郎選手の起用法が楽しみです」

――注目している選手はいますか。

「松坂大輔投手です。14年ぶりに埼玉西武ライオンズへ復帰した松坂投手が今年、どんなピッチングをするのかに注目しています。キャンプで会った39歳の松坂投手は相変わらずやんちゃな言葉でこちらをいじってきました。彼の心が元気な証です。心が元気なときは身体も元気なはず。今年の松坂投手には期待できると思いました」

――取材記者ならではの視点で、こういう場面を見ているというポイントはありますか。

「たとえば、キャンプなどの練習のときのキャッチボールです。グラウンドに出てキャッチボールをするとき、どんな順番で並んで、誰が誰とキャッチボールをしているか。チームの親分がキャッチボールをする位置に誰がいて、結果を出した若手がどんな位置にいるのかを見ていると、そのチームの人間関係が見えてきます」

――野球を見る際、双眼鏡をどんなときに使って、どんなポイントを見ていますか。

「双眼鏡でなければ見えないのは、サイン交換をするときのピッチャーの表情です。たとえばキャッチャーのサインに首を振るにしても小さく振るのか大きく振るのか、苛立っているのか、わざと首を振って相手をだまそうとしているのか、そういう意図が表情からうかがえることがあります。それは双眼鏡がなければ見えません」

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