2020.01.28

石川佳純とシスコの良好な関係。
逆転劇の裏にはデータ分析あり

  • text by Sportiva
  • 木鋪虎雄●写真 photo by Kishiku Torao

 まずは、離れた場所にいる選手やコーチ・チームメンバーなどとのコミュニケーションを強化。情報共有をスムーズに行なうために、チームコラボレーションアプリ『Cisco Webex Teams(シスコ・ウェブエックス・チームズ)』を提供した。これは「ビジネス用に作られたものなので、一般のSNSよりも機能が豊富で管理性が高い」(マーケティング本部 生田大朗氏)。このアプリの活用で、海外遠征時でも安全で快適に情報共有、データのやりとりができるようになった。

遠方のコーチとリアルタイムでやりとり。映像に線を引いて互いの理解を深める 続いて、練習場のネット環境も整備。WiFiアクセスポイントのほか、デジタルホワイトボードやビデオ会議機能などを備えた『Cisco Webex Board(シスコ・ウェブエックス・ボード)』を導入し、選手とコーチが離れた場所にいてもリモートで指導できる環境を整えた。双方で同じ映像を見ながら競技や練習の様子を振り返るだけでなく、映像をキャプチャーして、打球のコースや位置など線を引いて説明するなど、相互理解を促し、より多様なコミュニケーションができるようになった。

 そして最大のサポートが、データ分析の提供だ。シスコはデータスタジアム社と協業し、自社のネットワーク技術と連携してデータ分析をスタート。実際の試合映像から「相手の打ち方・返し方、ラリーのコース、ボールの落下点などをデータ入力してサーバ(Cisco Unified Computing System)にため込んだ」(生田氏)。それをベースに新たにタブレット端末上で動作する専用の映像視聴アプリを開発。シスコのクラウド型セキュアインターネットゲートウェイ「Cisco Umbrella」を介して格納した映像データに安全にアクセスし、スコアの推移やラリーの軌道を表示させるほか、得点シーンや失点シーンだけを見ることができたり、スロー・早送り再生も自由に行なえるようになっている。さらに映像から得られたデータ分析レポートを選手側に提供もしている。
 石川選手はこの分析アプリとレポートをフル活用。「卓球は試合と試合の間が短いため、相手の試合映像を探すのも大変。このアプリを使うことによって、すぐに映像を探せて時間を短縮することができました」と語るとともに、「(相手の)サーブ、レシーブの情報がほしいなどの細かい要求に対しても、すぐにデータを出してくれてすごくありがたかったです。カナダ(の国際大会)では、初対戦の中国2選手との試合で、(データを見て臨んだ結果)サーブがすごく生きて、それで勝つことができました」と、データ分析が勝因になっていたことも明かした。