「僕の助けになっている」。フィギュアスケートを描くときに双眼鏡を使う理由 (3ページ目)

  • 高橋学●写真 photo by Takahashi Manabu、shutterstock

――双眼鏡の新しい活用法があったら教えてください。

「僕はお城や古戦場が好きなんですが、この間、関ヶ原の古戦場に行ったときに、(西軍の)石田三成の陣営から(東軍の)徳川家康の陣営を見てきました。小早川秀秋が(西軍を)裏切った松尾山なども、一望できる。その時は双眼鏡を使いました。

 お芝居も好きで、その時も持っていきますね。東京芸術劇場などの広い会場は、舞台まで少し距離があるので、双眼鏡があると便利です。一度、役者さんの表情を見ると安心するんですよ。表情のわずかな部分まで突き詰めているんだなとか、女優さん、こんなきれいなんだなとか(笑)」

――フィギュアスケートの生観戦の魅力はどういうところでしょうか?

「僕は2001年からバルセロナに住んでいて、サッカーを中心に取材していました。当時、10万人が入るカンプノウ(バルセロナのホームスタジアム)が満席になると、もうそれだけで涙が出てくることがあったんです。でもそこにずっといると慣れるんですよ。だんだん泣けなくなってきて......。そんなときに帰国してフィギュアスケートを取材する機会がありました。

 当時は女子選手のほうに注目が集まっていて、荒川静香さん、村主章枝さん、安藤美姫さんがいて、そこに浅田真央さんが出てきました。2005年のグランプリファイナルだったんですが、初めてフィギュアスケートを見て泣きました。自然に涙が出てくる。それはもう問答無用だったんですね。誰が好きとか、日本人だからとか、そういうのではなかったです。音と、滑りと、選手の表情と、そしてフィギュアスケートを知っている観客に刺激されて、それはカンプノウで刺激されたときと同じだったんです。これはすごいなって、しっかり文章にしたいなと思ったんです。

 だから男性にも観戦に行ってほしいですね。観客はほとんど女性ですが、男性が行ってもおもしろいスポーツだと僕は思っているし、見ているだけで気持ちは持っていかれます。僕がそうでしたから」

8倍から24倍まで。流線型ボディーのコンパクトな双眼鏡
Sportstar Zoom 8-24x25
オープンプライス
「スポーツスター ズーム」は8倍から24倍までの無段階変倍が可能な双眼鏡で、低倍率で全体を捉え、高倍率で選手の表情を捉えるといった使い方が可能。本体上面にズームレバーを配置することで、観察時に双眼鏡をのぞいたままスムーズなズーミングが可能だ。すべてのレンズ、プリズムに光の透過率を高める多層膜コーティングを施し、明るく鮮明な視界を実現した。

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