現地ドイツでの直撃取材で、「はんぱない」サッカー熱を実感! (2ページ目)

 翌日はいよいよ、ブレーメンのホームスタジアム、ヴェーザーシュタディオンへ。到着したのは試合開始の約3時間前だったが、スタジアムの周辺はブレーメンファンでごった返していた。角田さんは、ビールを片手に開場を待っていた若い男性ふたりに、今季のブレーメンの戦い、アジアカップでチームを離れていた大迫についての印象を聞いた。

「チーム全体でいいプレーをしているけど、順位につながっていないのが残念だね(その日の試合前は9位)。でも、後期も今のサッカーを続けていければ勝ち点を伸ばせると思う。大迫は、ブレーメンに来てスタメンでプレーし、いい成長を見せている。彼はこのクラブに必要な選手だ。だから、彼がチームに戻ってくることを心待ちにしているよ」

ブレーメンファンのふたりにインタビューブレーメンファンのふたりにインタビュー また、親子で観戦に訪れたファンは、「大迫はいい選手だから、ブレーメンでプレーしてくれているのはうれしいよ。求めるのはたったひとつ、TOR(トーア:ドイツ語でゴールの意味)だ。(親子で)スリー、ツー、ワン、TOOOOORRRRRRR!」と、大迫にエールを送った。

 試合開始まで1時間と迫り観客席が埋まっていくなか、敵地に乗り込んできたフランクフルトの選手たちがピッチに姿を現した。ブレーメンファンからはブーイングが起こったが、その日CBで先発出場した長谷部は、堂々とチームの先頭に立ってウォーミングアップを行なった。

 その後、ブレーメン側の練習と選手紹介が終わり、観客のボルテージが最大になった状態でキックオフを迎えた。前半27分、ブレーメンのMFマキシミリアン・エッゲシュタインがゴール前で見事なターンを披露し、DFをかわして先制ゴール。しかしフランクフルトも前半のうちに同点に追いつき、後半は両チームが1点ずつを挙げて2-2の痛み分けとなった。

 観客席でその試合を見ていた角田さんは、「体格の大きい選手も多いですが、間近で見ると足元の技術の高さがよくわかりますね。あと、長谷部選手はチームの誰よりも声を出して指示を送っていて、チームの核になっているんだなと実感しました」と興奮気味に感想を話した。

"はんぱない"のはプレーだけではなかったようだ。試合中、ブレーメンの選手の好プレーには万雷の拍手が送られ、逆にフランクフルトの選手の際どいプレー、微妙な判定があると怒声が会場を包んだ。試合後にはスタジアム周辺のパブにファンが外まで溢れ、氷点下の中でビールを飲みながら試合について語り合っていた。

 たくさんのファンから「オオサコ!」と声をかけられた角田さんは、「これだけサッカー文化が街に根付いているのはすごいですね」と、戸惑いながらもドイツサッカーの歴史を身にしみて感じていた。

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