地元ラジオ解説者たちが太鼓判。今季もプロ野球は地方球団が強い! (3ページ目)

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  • 小池義弘●文 text by Koike Yoshihiro

    
 ソフトバンクの強さ、楽天の快進撃があるように、最近は「パ・リーグが熱い」と思われがちだが、そうとも言い切れない。

 セ・リーグも、熱い。

 その先導役を担うのが、広島東洋カープである。昨季は37年ぶりのリーグ制覇を成し遂げ、観客動員数も3年連続で200万人を突破。地元ファンの熱狂ぶりは12球団随一と言えるし、近年では"カープ女子"が社会現象になるなど、常に話題の中心にいる。

今シーズン、ローテーション入りが期待されている2年目の高橋昂也今シーズン、ローテーション入りが期待されている2年目の高橋昂也

「マツダスタジアムは毎試合、満員状態。チームが強くなった背景に、ファンの応援は間違いなくあります。選手たちのモチベーションも上がりますし、気持ちよくプレーしています」

 広島のRCCラジオでの解説で人気を博す、OBの横山竜士氏はそう実感している。

 広島が地元から絶大な支持を得ているのは、地域密着のほか、生え抜きの若手が毎年のように一軍で結果を残しているからである。2016年に"神ってる"と称された打撃で優勝に貢献した鈴木誠也。昨年も3年目の薮田和樹が15勝を挙げ大ブレークを果たした。

 今年も、彼らのような生きのいい新戦力が現れそうだと、横山氏は明かす。

「昨年のシーズン終了後から、チームは『若手の底上げ』をテーマに強化してきました。昨年までのカープは左の先発投手が手薄でしたが、今年は2年目の高橋昂也が目覚ましい成長を見せてくれています。カープは『自前で選手を育てる』という良さがあり、伝統でもあります。ですから、高橋がローテーションに加わってくれれば大きいですし、僕も大いに期待しています。野手でも美馬優槻や下水流昂などが力をつけ、台頭してきたので楽しみですね」

 横山氏いわく、緒方孝市監督は「チームは毎年、生まれ変わるもの。新しい選手の台頭を待っている」と語っているという。薮田や大瀬良大地、岡田明丈と、昨年の優勝を支えた先発投手の仕上がりが芳(かんば)しくないとはいえ、新たな息吹がチームに注がれれば負けることはない。連覇した自信、勝ってもなお油断しない指揮官の姿勢があるからこそ、広島は安定した成績を残せるのだ。

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