再び厳しく美しき戦場へ。「TOYOTA GAZOO Racing」次のル・マンへの戦い (2ページ目)

  • 写真提供:トヨタ自動車

 ポルシェ、アウディを含めた3メーカーによる熾烈なハイブリッド技術競争はサーキットを再び自動車技術の未来へと繋がる「走る実験場」に変えた。もちろん、そこで争われるのはパワーだけでなく「究極のエネルギー効率」への挑戦がレースの勝敗を左右する世界。

 だが、仮にライバルを凌ぐ「究極のマシン」を手に入れたとしても、それだけでは勝利の女神は微笑んでくれないのがル・マンだ。

 気温、路面温度、雨、風速、風向、そして深い夜の闇......。刻一刻と変化するコンディションの中で、24時間、常にマシンのポテンシャルを最大限に発揮させるための整備とセッティングを行ない、予見不能なトラブルのダメージを最小限の時間でカバーしてマシンをコースへと送り返すメカニックたちの戦い。

 給油やタイヤ交換のためのピットストップ、ドライバー交代のタイミングを緻密に計算しながら、わずかなアドバンテージを削り出し、ライバルとの神経戦を繰り広げるレースエンジニアたちの戦い。

 そして、今や「24時間連続の予選タイムアタック」と呼びたくなるほどにハイスピード化が進んだ現代のル・マンで驚異的なラップタイムを刻み続け、時に息をのむほどの際どい接近戦を繰り広げる、世界トップクラスのドライバーたち......。

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