フォルクスワーゲン主催のジュニア大会「子どもたちに国際交流の場を」 (2ページ目)

  • 緑川顕史(KWC)●文 text by Midorikawa  Kenji 蔦野 裕●写真 photo by Tsutano Yu

 決勝トーナメントともなるとハイレベルな試合の連続で、各国の応援団も大きな声援を送り、盛り上がった。決勝戦に進出したのはドイツとオーストリア。大会に参加した選手や大勢の観客が見守るなか、いよいよ決勝戦がキックオフ。試合はオーストリアが押し気味に進めたもののドイツが先制。その後もオーストリアが攻勢だったが、ドイツが固い守備でしのぎ1対0で勝利した。ドイツはやや押され気味の展開の中で先制点を守り切ったが、準決勝のスイス戦でも2点差を追いつきPK戦で勝利するなど、A代表同様、粘り強くあきらめない戦いぶりが光った。

 なお、出場チームの選出方法は国によって異なり、プロクラブのジュニアユースチームから小学校単位のチームまで、さまざまなチームが参加していることもこの大会の特徴と言える。今回優勝したドイツ代表はヘルタ・ベルリン、準優勝のオーストリア代表はシュトゥルム・グラーツ、トルコ代表はベシクタシュなど有名クラブのジュニアユースが参加していた。この点について日本代表の高杉監督は、「われわれのような地方のチームが欧州のトップクラスと戦えるのは貴重な経験。各国の少年サッカー指導者と知り合うこともでき、今後につながる話もあった」とこの大会の意義を話してくれた。

 サッカーという世界共通のスポーツを通じて、さまざまな国の子どもたちが交流を深めた「フォルクスワーゲン ジュニアワールドマスターズ2016」。試合だけでなく、全チームが同じ船に乗ってセーヌ川クルーズを楽しんだり、他国と同じバスで移動したりと、自然と子どもたち同士がサッカー以外で交流する場がたくさんあることも、この大会の魅力のひとつだ。

 また、開会式・閉会式には元フランス代表のジャン=ピエール・パパン氏やルドビク・ジュリ選手がスペシャルゲストとして登場したほか、ペレ氏やネイマール選手、ボアテング選手からのビデオメッセージが上映された。グローバル企業のフォルクスワーゲンならではという華やかな演出もあり、大会を盛り上げた。子どもたちにとって、世界の多様性や国際的な感覚に触れる有意義な体験となったはずだ。

◆フォルクスワーゲン ジュニアワールドマスターズ2016 パリ大会開催レポート(公式)はこちら

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