田中正直氏に聞く。「冬のマラソン、好タイムで走るには」 (4ページ目)

  • 石塚 隆●文 text by Ishizuka Takashi  村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

正しい姿勢を作るという意識でストレッチを

 冬場はどうしても体が硬くなり可動域が狭まる傾向にあるが、スムーズなランニングを心掛けるためには、果たしてどのようなストレッチが効果的なのだろうか。

「僕が勧めるストレッチは、筋肉を伸ばし可動域を広げるという意図もありますが、正しい姿勢に戻すことでバランスを整える、あるいはズレを直すといった意識でやってもらっています。ランニングは“ひねりの運動”でもあり、上半身、下半身のバランスが重要になります。なので、練習の最初と最後にはしっかり目的を持ってストレッチをやるようにしています。多くの人が走っているうちに体が傾いてしまうクセが出てしまうのですが、走る前にはストレッチでバランスを良くし、走っている間にでてきたとクセを直すために練習後にも同じようなストレッチをやります。バランスが崩れている状態でストレッチをやっても意味はありませんからね。ここで私が実践しているストレッチを数例、紹介します」

猫背にならぬよう肩甲骨を意識し胸を開き体を真っ直ぐにする。左右の肩甲骨をくっつけるような意識で、伸ばした腕を前後に動かす猫背にならぬよう肩甲骨を意識し胸を開き体を真っ直ぐにする。左右の肩甲骨をくっつけるような意識で、伸ばした腕を前後に動かす

足を肩幅に開き膝を曲げず腕を後ろに伸ばしたまま前屈。注意点は顔を前に向けること。ハムストリングスと肩甲骨のストレッチ足を肩幅に開き膝を曲げず腕を後ろに伸ばしたまま前屈。注意点は顔を前に向けること。ハムストリングスと肩甲骨のストレッチ

足を前後させ上半身を直立させたまま深く沈みこむ。大腿二頭筋を伸ばすというよりも股関節を元の位置に戻す足を前後させ上半身を直立させたまま深く沈みこむ。大腿二頭筋を伸ばすというよりも股関節を元の位置に戻す

1枚上の写真の状態から腕を上に伸ばし脇腹(腹横筋)を伸ばすイメージで横方向へ加重。お腹まわりをほぐすことで日常生活や走行時の体の傾きを元に戻す1枚上の写真の状態から腕を上に伸ばし脇腹(腹横筋)を伸ばすイメージで横方向へ加重。お腹まわりをほぐすことで日常生活や走行時の体の傾きを元に戻す

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