井上尚弥は「領域展開」を使っている? いとこで漫画家・浩樹が『呪術廻戦』で紐解く王者の強さ (4ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi

【井上尚弥が呪力を持ったら?】

──ちなみに、井上選手が呪力を身につけたとしたらどうなると思います?

「チートですよね(笑)。彼だとジャブが"黒閃(こくせん)"になっちゃいそうなので、できれば呪力は持たないでほしい。でも、もし本当に呪力があるとしたら、彼はあそこまで強くなっていないとも思うんです。先ほど挙げた禪院真希も、呪力がないから体術を極めたわけじゃないですか。だから尚弥も、他に特殊な能力がないからボクシングを突き詰め、絶対的な強さを手に入れたんじゃないかと」

──確かに、呪力があるとその力に頼ってしまいそうですもんね。

「はい。それに呪力があっても、彼は難しいことが苦手なので、面倒くさがって使わないかもしれません。何かのサービスを使うためにアカウント登録が必要な時も、『どうやるの?』となってしまう感じですから(笑)」

──では、あえて今の井上選手に呪力をつけ加えると考えたら、どんな能力が合いそうですか?

「恐ろしくてあまり考えたくないですけど......(笑)。東堂の"不義遊戯(ブギウギ)"があったら最強かもしれませんね。打たれそうな時にレフェリーと入れ替わって、横から攻撃する、みたいな(笑)。でも、映像でバレちゃいますかね。誰にもギリギリわからないぐらいの能力のほうがいいかもしれません」

──狗巻 棘(いぬまき・とげ)の"呪言師(じゅごんし)"としての能力はどうでしょう。

「あ、それですね! 軽くジャブを打った時に小声で『ふっとべ』って。日常会話はおにぎりの具しか話せないので、インタビューを受けられなくなりますが」

──それに加えて、井上選手が"領域展開"まで使えるようになってしまったら......。

「12月14日に行なったタイトル防衛戦でも、強烈なジャブで相手にペースを渡さず"自分の空間"を作り上げていたのですが......今思えばあれが、尚弥の"領域展開"だったかもしれませんね(笑)。相手に反撃できなくさせて、なおかつこちらの攻撃は絶対当たるという能力で」

──となると、井上選手はすでに呪術師だったのかもしれませんね(笑)。最後に、今後の『呪術廻戦』への期待を教えてください。

「まずは『劇場版 呪術廻戦 0』がめちゃくちゃ楽しみです! 僕はこの作品のなかで0巻が一番好きなんです。物語の起承転結、こんなに完璧な一冊はないと思っています。だから劇場版が決まる前から『0巻、映画でやらないかな』とずっと思っていたので、公開次第すぐに見に行きたいです。

 それに僕にとって、本来なら憂鬱になりがちな週初めを乗りきれるのは、『呪術廻戦』のおかげなんです。毎週月曜日に発売される『週刊少年ジャンプ』が楽しみで仕方がないんですよ。だから今後も、漫画でもアニメでもすばらしいシーンが見られることを楽しみにしています!」

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