巨人・高梨雄平は「呪術廻戦」の東堂葵に憧れと共感。チームメイトの「ブラザー」には喜びと焦りを感じた

  • Text by Sportiva

【ゾーンに入った高校3年の夏】

――東堂は能力が高い一方で、自分のことを冷静に見ている部分がありますね。

「僕が選手として、あんなに能力が高いと言っているわけではないですよ(笑)。五条 悟(ごじょう・さとる)、野球界でいえば大谷翔平選手のように飛び抜けてすごい人に比べて、自分が持っている武器は決して強力ではないけれど、それを最大限に生かせるようにいろいろと考えている。そこが共通しているような気がするんです。東堂の術式『不義遊戯(ブギウギ)』も、手を合わせて人の位置を入れ替えるというシンプルなもの。それでも、特級呪霊を祓えるまでになったところに、人間臭い努力の跡がうかがえて好きなんです」

――高梨選手と大江選手は「ベストフレンド」、というよりは「ブラザー」な関係という感じでしょうか。

「虎杖は交流会後に冷静になって、『あの時俺は正気じゃなかった!!』と言ってますけどね(笑)。大江が僕のことをどう思っているかはわかりませんが、僕のブラザーは大江です」

――女性で好きなキャラクターを挙げるとしたら?

「やはり現在につながる葛藤、バックボーンがきちんと描かれている、禪院真希(ぜんいん・まき)や釘崎野薔薇(くぎさき・のばら)のようなキャラクターが好きですね。でも、一番好きなのは冥冥(めいめい)です。術式もカッコいいですし、何より『お金を最優先』と自分で断言するところが、東堂と同じようにストレートでいいですよね」

――作中では、極限まで集中した時に放たれる、攻撃の威力が高まる黒閃(こくせん)という技があります。スポーツ選手でいう「ゾーン」と呼ばれるものに似ていると思いますが、高梨選手も同じような感覚になったことはありますか?

「一番ゾーンに入っていることを感じたのは、川越東高校3年時の夏の甲子園予選ですね。準決勝で花咲徳栄高校に負けはしますが、あの時は大会を通してキャッチャーミットまで伸びる"レール"のようなものが見えていて、そこに"ボールを置くだけ"で打者を抑えられました。プロでも似たようなことはありましたし、『ボールに力が最大限に伝わった』と感じるようなことは時々ありますが、レールが見えるような感覚になったのはその一回だけですね」

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