熱を伝えるチームに変貌。ダンサーFISHBOYがDリーグ2シーズン目で巻き返しを誓う (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • 廣瀬久哉●撮影 photo by Hirose Hisaya

「多ジャンルのダンサーを集めたというよりは、バトルやコンテストで戦ってきたダンサーを集めたということです。

 今のダンス界は、ショービズやエンターテイメント、振付師のほうが稼げていると思うんですね。逆にアスリート寄りのダンサーは、稼ぎどころがインストラクターくらいしかありませんでした。そういったダンサーたちをDリーグで活躍させることによって、『ダンサーが稼げる新しい舞台なんだよ』っていうのを表現したかったんですね。

 集まってきてくれたダンサーたちは、各ジャンルのエキスパートなので、その高い技術力を全員がシェアすることができたら、各分野のダンスを踊れるレベルの高いダンサーが、同時に誕生するんじゃないかなと思っています」

 しかし多彩な個性をまとめるためには、想定外の苦労があった。

「悩みはとってもありました。実はダンスのジャンルは問題ではなかったんですよ。問題は、ダンスを取り巻く環境がそれぞれ違った、育ち方が違ったということなんです。8人が同じジャンルだと、共通言語があるんです。『あのダンサーが』とか『あの大会で』とか言って話が合うし、考え方も統制が取れているんです。その考え方の傾向がダンスのジャンルによって違ったんですね。そうなってくるとコミュニケーションの部分で、話が合わなかったりして、それはとても困りました」

 とくに20-21 SEASONでは、約2週間で新しいショーケースを次々作って披露していたため、密度の高いコミュニケーションが要求された。そのため同じジャンルを歩んできたダンサーたちのほうが、コミュニケーションが円滑で、作品づくりはスムーズだった。CyberAgent Legitは、その部分で一つ乗り越えるべき壁が増えていた。

 さらにチームはよりチャレンジングなことをやっていた。それが、ダンサー自らが振り付けを担当することだった。しかも「ほぼ全員に作ってもらった」という。もちろんFISHBOY自身が振り付けを行なうこともできるが、そこは敢えて任せていた。

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