兄・中田敦彦の「プライドを捨てた」姿に感動。日本人全員ダンサー化計画へFISHBOYは盆踊りの世界に飛び込んだ

  • text by Sportiva
  • 廣瀬久哉●撮影 photo by Hirose Hisaya

 FISHBOYはまず「恥ずかしさ」のメカニズムについて学び始めた。そして実際にその熱狂を体感するために、盆踊りの渦の中に自ら飛び込んだ。

「旅をしました。これまで行けたのは、日本三大盆踊りのうちの二つ、郡上踊り、阿波踊りで、そのほかの祭りにも行きました。郡上踊りでは、まず下駄 を作ったんですが、そこからもう楽しいんです。かっぽかっぽ音を出しながら歩くと、もう別世界なんですよ。音が鳴るだけでエンターテイメントになるし、人によっては浴衣、着物も着ているし、その雰囲気づくりからして掴みはOKでした。

 郡上踊りのすごく面白いところは、音が8拍でループするとしたら、踊りの振り付けが11拍でループしたりするんです。そうすると、徐々にズレていくんですね。そのズレによって、凝り固まった頭がほぐされていくんですよ。フワッとしてきて、瞑想状態に入っていくような感覚になるんです。

 阿波踊りの振り付けは、ワンツーワンツーって2個で終わりなんですね。だから誰でもすぐに参加できるんです。阿波踊りはやぐらを回る盆踊りとは違って、パレードなので、町の風景が変わるんですね。2個しかない振り付けを同じ場所でやっていたら、めっちゃ飽きるじゃないですか。だから景色で味替えする。その仕組みが面白かったです。

 それから阿波踊りは『やっとさーやっとやっとー』とひたすら言うんです。決まりきったものをずっとやっていると、何も考えなくても腕が上がってくるし、足も出てくるんですよ。自動で体が動いて、街の景色が変わっていく。それが続くとマインドフルネスな感じになります。とてもよかったですね」

 大人もシチュエーションがそろえば踊ることがあるし、そこには恥ずかしさもない。FISHBOYは盆踊りで確かな手ごたえを掴むとともに、活動の幅をさらに広げていった。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る