兄・中田敦彦の「プライドを捨てた」姿に感動。日本人全員ダンサー化計画へFISHBOYは盆踊りの世界に飛び込んだ (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • 廣瀬久哉●撮影 photo by Hirose Hisaya

 それから兄は品川駅の周辺で売り始めたんです。新幹線で各地方に帰る人がいるから、道行く人に声をかけるんです。『どちらに帰るんですか』と。『広島です』と答えたら、『今度広島でライブがあるんですけど、見に来ませんか』と言ってチケットを売るんですよ。

 だからRADIO FISHは、本気で考えて模索して実行してやっと掴めた成果だなって思います。兄のYouTube登録418万人も、絶対にその精神があったからだと思っています。その考え方は、CyberAgent Legitの運営の中にも息づいている。僕ができることであれば、なんでもやります。僕は『まだもっとやれることはある』っていっぱい思っています」

 ダンスの魅力を多くの人に知ってもらい、「日本人全員を踊らせる」ために、日々やれることを模索し始めてから、今年で12年になる。メディアに出演し、RADIO FISHでパフォーマンスを行ない、YouTubeで配信し、Dリーグチームのディレクターとしてダンサーを指導するなど、積極的に活動を続けてきた。いまでは少しずつ世の中の変化を感じるようになったという。

「僕の力は微々たるものなんですが、社会自体がそういうムーブメントになってきたという実感があります。EXILEさんが広めてくれていることも大きいですし、学校教育にダンスが取り入れられたこともあります。あとはTikTokなどのSNSで、フォロワーを増やすのに、ダンスが有効なツールだと若者に認識されたのもあって、みんながこぞってダンスをするようになった。そういう時代が来たので、自然と若い子たちはダンスをするようになったんですね」

 若者がダンスを行なう文化は少しずつ根づいてきた。では大人はどうだろうか。FISHBOYは、その数は若者に比べて圧倒的に少ないと感じている。どうすれば大人を踊らせることができるのだろうか。そんななかで野望達成の足掛かりとなりそうなダンスを見つけた。それが日本全国で昔から踊られているあれだ。

「ある時ふとお祭りをやっているところを通りかかったら、盆踊りをやっていたんですよ。そこには老若男女いました。僕は大人を踊らせたいと常々思っていたのですが、なかなか踊ってくれないんですね。だから盆踊りを見た時、すごいなって思ったんです。盆踊りだったら、恥ずかしくなく踊れるんです。その盆踊りの正体を研究してやろうと思ったんです」

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