マヂラブ野田クリスタルが語る『SLAM DUNK』愛。「何度読んでも身震いしちゃう」シーンとは? (3ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mistuhiro
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

――とはいえ中学時代はリングにすら届かず......。

「芸人になってから、国内外のジャンプ力を伸ばすトレーニングが書かれた書籍や文献を読み漁って。あとはYouTubeで海外のジャンプ力に関するサイトもかなり見ました。僕と同じ身長くらいで頭がリングに届いている人もいたんで、じゃあダンクくらいできるなって思いましたね。トレーニングを開始して1年くらいでリングに届くようになって、気づけば筋肉が増えて体重は20キロくらい増え、4年目くらいにハンドボールですけどダンクができるようになりましたね。その後、バスケットボールでもダンクができるようになりました」

――なぜそこまでストイックになれるんでしょう?

「決めたら達成しないと気がすまないというか、ある意味で呪いみたいなものだと思っています。田村さんも週8でバスケをして疲労骨折しているんですけど、お笑い芸人ってトレーニングやスポーツにどハマりする人が多いんです。

 お笑いって練習してもお笑い筋肉はつかないというか。練習すれば練習するほどお笑いが向上していくことはないんですね。それどころか、つまらなくなることすらある。だからなのか、やればやるほど身につくものに異常に惹かれますよね、芸人って。だってやればいいんだから。"筋肉は裏切らない。裏切っているのは自分だ!"ってことなんだと思います」

――なるほど

「桜木がインターハイ前に2万本のシュートを打ち込んだ合宿のシーンがありますよね。あの合宿に大切なことがいろいろ集約されている気がするんです。あの時、桜木はバスケを初めておもしろいって思ったんだろうなって思うんですね。そしてそこから急激にうまくなった気がします。それまで誰かに褒められたい、認められたいという気持ちが強かった。でも、2万本のシュートは自分がバスケがしたくて打ち込んだような気がするんです。夜中に自分のシュートフォームの映像を見て疑問点を見つけ、"明日オヤジに聞いてみよう"と完全にワクワクしているというか、夢中になっちゃってる。

 好きなゲームをやっていたり、攻略本を読んでいるだけで楽しいような感覚ですよね。何かが上達するのに最高の状態というか。部活の練習が嫌でしょうがなかった時は、早く次の日になれなんて思わなかった。でもダンクをするためにトレーニングを積んでいた日々は、早く明日になってほしいって思っていましたからね」

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