2021.04.10

川﨑宗則の人生相談。「大舞台でも力を出せるコツはありますか?」

  • 石田雄太●構成 text by Ishida Yuta
  • photo by Sportiva

お悩み:「大事な試合や、受験の本番になると、緊張して力が出せません。何か、大舞台でも力を出せるコツはありますか」/野球命(東京都)

 いいんだよ、力が出ないほうがいいんだ。大きな舞台って、力が出せなくて当然なの。むしろ、そこで出てる力が自分の本当の力なんだ。それをわかっておいたほうがいい。そこをわかっておくと、次、人生で大きな舞台に立った時、「こういう準備をしよう」と思える。でも、「オレは大舞台に強い」なんて思っていたら、きっと準備不足になって、もっと大事な時に落とし穴にはまる。だから変に力が出ちゃうと、ヤバくなることもあるんだよね。

 プレッシャーに勝とうなんて思う必要はないよ。プレッシャーには負けたほうがいい。そこでうまくいかなくても、時は経つからね。プレッシャーに負けて、力が出せなくて、結果がダメで......でも時が経って、その時に自分が何をしたかということが、後々わかってくる。それがわかると、人間、次は違うアプローチをするものだからさ。

 野球ならセレクションとか、勉強なら受験とか、そんなのメンタルにいいわけがない。キツいし、逃げ出したくなると思う。でも、自分でやらなくちゃいけないとわかっているから、逃げ出さないでしょ。それでもうオッケー。だから、そこで力を発揮しようなんて思わなくていい。

 今はまだ勝たなくていい、と思うことも大事。人生、そこで力を発揮しちゃってどうするの。まだもっと先に大事なことがあるんだよ。だから、今、勝つことが大事なんかじゃない。

 教師や親が、「この大学に行かないと」「この高校に行かないと」って、そんな小っちゃい世界でモノを考えて、子どもに押しつけちゃいけないんだ。子どもが巣立つ世界は、大人が想像できる世界に収まらないからね。子どもの世界は広い。無限に広がっている。

 高校がイヤなら行かなきゃいいし、日本がイヤなら国を変えればいい。高校に行かなくても、大学に行かなくても、海外に移り住んでも、幸せな人はいっぱいいるよ。結果がダメなほうが新しい何かに出会えることもあるし、今がすべてうまくいっちゃうと、この先、うまくいきようがなくなっちゃうからね。