岡副麻希がスーパーGT2020を振り返る。大混戦の舞台裏で耐えたこととは? (3ページ目)

  • 川原田剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 実際、まさにこの鈴鹿でのアクシデントが「大きなポイントだった」と山本選手は話していました。マシンを修理してコースに戻り、新たなタイヤをテストしたことが最終戦でのタイヤ選択につながり、チームの結束力もさらに強くなったそうです。

 2020年、山本選手は国内最高峰のスーパーフォーミュラでもタイトルを獲得し、ダブルチャンピオンに輝きましたが、いつも冷静沈着そのもの。インタビューしていても、話がすごく論理的でわかりやすい。あと、プライベートではお子さんが大きくなってきて(※山本選手は2018年2月に双子の父親になっている)、最近はパパとしての余裕や貫禄も感じます。

 牧野選手は私より5つほど年下ですが、すごく速くて勢いがあるドライバーです。今年から強豪TEAM KUNIMITSUに加入し、山本選手とコンビを組み、コンスタントにポイントを重ねていました。しかしホンダ勢の中で目立った成績を残していたのは、第2戦と第4戦を制した塚越広大選手とベルトラン・バゲット選手のKEIHIN REAL RACINGでした。

 そんな中でTEAM KUNIMITSUは最終戦でシーズン初勝利を挙げ、逆転でタイトルを獲得。牧野選手が流した涙を見て、なかなか勝てずにプレッシャーだったのかもしれないと思います。また、牧野選手は野性的な印象も受けますが、本当にピュアで真っ直ぐな人だと感じましたね。若い牧野選手と、ロジカルな山本選手のペアは取材者として見ていて面白かったし、魅力的でした。

 惜しくもタイトルを逃した平川選手は、すごくクール。いつも冷静かつ俯瞰的に物事を見ていて、自分だけでなく、広い視野で周囲を捉えている印象で、頭の回転も速い。何かを尋ねると、丁寧にひとつひとつをわかりやすい言葉で説明してくれます。でもクールな表情の内側にはすごく熱いものを持っていて、負けず嫌いなんだと感じていました。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る