ジュニア世界一、元「女横綱」の今。野﨑舞夏星が振り返る大学時代

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

 大学生活は「相撲づけの日々」だった。あえて「相撲以外のことで大学時代の印象深い思い出は?」と聞いたところ、少し考えてから話してくれたのは、やはり相撲に関わることだった。

「全日本女子相撲選手権が4年生の10月にあって、その後11月に日本代表の選手たちがロシアに行って親善試合や練習などで交流する事業があり、それが私にとって最後の取組になったんです。

 ロシアにはシニアにもジュニアにも強い選手がたくさんいるのですが、そこでロシアの選手に勝つことができました。

 10月の全日本選手権では、1回戦負けだったんです。優勝するつもりで行っていたのにあっけない終わり方をして、それが引退試合だったのかと落ち込んでいたところ、ロシアの遠征が最後の大会になって。

 そこで自分が納得のいく相撲、それまで十何年かやってきた集大成みたいな相撲を取ることができ、とてもうれしかったです」

 試合の結果以外にも行ってよかったと思えることがあった。

「ロシアの大会では、土俵にだけスポットライトが当たったり、会場にBGMが流れたり。カメラもいろんな角度から試合を撮っていて、それがモニターに映しだされて。日本のアマチュアの大会では考えられないような演出の仕方でした。

 これから日本で相撲を盛り上げていくために、そういう演出の仕方が必要なんだなということに気づくことができました」

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