瀬戸大也、萩野公介のライバル物語が再スタート。若手の急追にも注目 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kishimoto Tsutomu/PICSPORT

 それ以降、瀬戸は悔しさをバネに萩野が不調に陥った中でも記録を伸ばし、東京五輪の内定をいち早く掴み取っていた。そんな状況の中で起きたのが昨年の謹慎だった。

 瀬戸は今大会、萩野との戦いについて、こう振り返った。

「最初の4個メの予選が同じ組だったので、公介とは招集所でグータッチをしました。久しぶりのレースで緊張していたのですが、公介と泳げるということで気合が入りました」

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 また萩野も瀬戸の存在の重要さを口にする。

「一緒に泳いでいて大也はスタートやターンがすごいなと思った。それで僕も今日はターンの前後の伸びを意識して蹴りを少し遅らせたりして、うまく泳ぎにつなげていこうと意識しました。一緒に泳ぎながら、いいところを吸収できているなと思います」

 ともに本調子ではない中での戦いだったが、瀬戸が五輪代表に内定している個人メドレー2種目の出場枠の残りは1。200mでは1歳下の砂間敬太(イトマン東進)が12月の日本選手権でも1分57秒98を出しているほか、学生勢も記録を上げている。

 また400mでは大学1年の本田灯(日大)だけではなく、今回は大学2年の井狩が4分12秒91で2位と、代表争いに割り込んできた。

 若手急追の中で、ここ数年は止まっていたふたりのライバル意識が、今後互いにどのような進化をもたらすのか。これは、東京五輪のメダル獲得を占う意味で、重要になってきそうだ。

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